血浴沢(ちあびさわ)にて・・。

日本一の花火の街としても知られている「大曲」に、何やら不穏な地名があるのはご存知でしょうか・・。

その名も「血浴沢(ちあびさわ)」です・・。

秋田道大曲ICを降り105号線を10分ほど進むと、左手に姫神山という小高い山があります・・。

ここは1000年前、今や神様扱いされている八幡太郎義家こと「源義家」と阿部一族の頭領「阿部貞任」が戦った古戦場でした・・。

当時、山の中腹には「鶴羽形城」という城があり、その城主であった安倍貞任を八幡太郎義家は山ごと取り囲み攻めましたが、斜面が急で難攻不落の城塞の為長期戦になったんだそうです・・。

その時、貞任の娘「鹿姫」は遠目からも目立つくらい容姿端麗であった八幡太郎義家の姿に心を奪われ、秘密の道を辿って義家のもとへ通うようになり、あろうことか敵の大将の子を懐胎してしまったんだそうです・・。

昔の人って意外に情熱的だったんですね・・(^_^;)

でも、当然ながらこれを知った父である安倍貞任は激怒し、姫を牢に入れ義家と会う事を禁じましたが、恋に狂った鹿姫はそれを拒否し、牢内で義家の子(男子)を産んだんだそうです・・。

それを見ていた乳母は母子を哀れに思って逃したところ、すぐに貞任の知るところとなり、追っ手により捕らえられ「こうなれば是非も無し、見せしめのため母子ごと生きながら土中に埋めよ」と命じたんだそうです・・。

鹿姫とその子が生き埋めにされたのが姫神山の山頂で、その穴から溢れ出た血が沢を伝って赤く染まったそうで「血浴沢」という地名はそこから名付けられたんだとか・・。

看板や標識は立ってはおりませんが、古地図と符合させると多分これが「血浴沢」・・。

せっかくなので水を汲んで飲んでみましたが・・血の味がするわけでもなく、普通に美味しかったですけどね・・(^_^;)

現在に伝わる逸話で「姫神山の山頂に蜃気楼のように白い旗がたくさん立ち並ぶ現象が目撃されることがある。これは生き埋めにされた鹿姫の子の怨霊が立てるもので5月5日にこの旗を見た者は3年のうちに亡くなる」というのが伝わっているそうな・・(ホンマかいな・・(^_^;))

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