バズァ渕・・。

刈和野から土川村の半導寺にいく途中、田谷を過ぎると、土買川の岸に出る。

そこは川の曲がり角になっていて、大きな樹木が影を落とす薄気味悪い渕があった。

渕は常に青黒く渦を巻き底が無いとも言われ、古来「バズァ淵」と呼ばれていた。

「バズ」とは尾のぷっつりきれたようになっている「大蛇」のことで、他方ではツチノコと呼ぶ者もいる。

今年75才で亡くなった爺さんが30才の時に聞いた話がある。

田中橋(田谷寄りの刈和野の町はずれ)の近くに住む農婦がこの渕の傍の田に草とりに来た時、仕事終わりに泥股引きを脱ぎ、どっぷり腰の上まで渕に浸って汗を洗っていた。

この時すぐ目の前の水がむくむくと盛り上がりこの世のものとは思えない大きな蛇体が頭を上げずっと此方を睨んでいたという。

怯えた農婦は夢中で我が家に駆け込み、寝床に這入っても震えは止まらず、錯乱状態のすえ虫の息となって寝込んでしまった。

界隈の住人はこの渕を恐れ、今でも近づいてはいけない場所になっている。

秋田県立図書館所蔵で界隈の言い伝えを纏め1978年に刊行された「町の昔をたずねて」にこの様な記述があります・・。

言い伝えとグーグルマップを勘合させると、たぶん「バズァ渕」は此処を指してるんですよねぇ・・。

刈和野地区には他にもツチノコ伝説、大蛇伝説が数多残っているようです・・。

俺も見てみたかったなぁ・・。

 

 

 

 

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