究極のきりたんぽ鍋を完成させる為のメソッド・・①

全国を旅し、いろーんな鍋物を食べてきました・・。

その中でも「きりたんぽ鍋」は、たぶん僕が秋田県人だからという訳ではなく、何処の名物鍋と比べても、食材と出汁の協調度、風土を完璧に表現したご当地鍋としての完成度、ともに断然たるもので之に優る何物をも発見することは出来ませんでした・・。

そして、いつの頃からか自分の手でこの秋田名物を更に醸成し「究極のきりたんぽ鍋」を拵えてやろうという野望を、恥ずかしながら持っておりました・・。

こーいうのって、一流の料理人にしか出来ないってモノではなく、情報量や経験値、完成品のイメージが大切だと思うんですよね・・。

それを達成する為には、先ずはこの食べ物の歴史や生い立ちを再確認し、老舗から評判の佳店まで食べ歩き、徹底的に研究しなければなりません・・。

こちらではその探訪記録というか、完成の為のメソッドを書き留めておくことにします・・。

今回は秋田県最北部、鹿角市花輪にある郷土料理屋「美ふじ」さんにお邪魔しました・・。

現在は「秋田犬」の故郷としても有名な「大舘(おおだて)」がキリタンポの本場として有名になってしまいましたが、もともとは鹿角が発祥の地なんですよね・・。

ですが40年程前に尾去沢鉱山が廃坑になって以来町の人口が激減し、それに伴い昔ながらのキリタンポ鍋を提供するお店も随分少なくなってしまったようです・・。

鹿角のきりたんぽ鍋は、当時炭鉱夫達の肺に入った煤を除去するのにコンニャクが有効という有り得ない風評が信じられていた為、糸コンが入っているのが特徴でした・・。

鹿角地方ではこの「蒲の穂」をタンポと呼んでおり、串に飯を握りつけた形が蒲の穂に似ているから・・というのがキリタンポの名称の由縁と言われているそうです・・(店のおばちゃん談)

美ふじのタンポは少し焼きが強く、細めに作られています・・。

そのせいで、オコゲ部分の表面積が多く、カリカリとした揚げ餅のような食感が楽しめるんですよね・・。

昨今、有名店でも大振りのモノを入れる店が増えていますが、タンポは長時間鍋に入れても崩れにくいモノでなければならない、ドロドロに溶けたのは美味しくない、というのが僕の持論なので、究極のキリタンポ鍋には細目で硬い此方のタンポ(鹿角花輪・柳田きりたんぽ)を採用したいと思っています・・。

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