姥揚げの堰(うばあげのせき)・・。

『現在、秋田県美郷町飯詰字東山本はJR後三年駅を取り巻く界隈屈指の繁華街になっているが、かつてこの辺りは広い柳林に覆われていて、そこには俗に「姥揚げの堰」と呼ばれている場所があった。

姥揚げの堰は、夜ともなれば無数の狐火が岸辺のあちこちに現れ、狐に騙された人の噂もしばしば耳にする程の薄気味悪いところだった。

この堰には百姓たちによって何百本も打ち込まれた「千本ちぐし」と呼ばれる杭が立ち並んでおり、田植え時ともなればこの杭に水流を留める為の草を掛けて、田畑に均等に水が行き渡るようにしていた。

近くに性根の悪い婆さんが住んでいて、自分の田畑に水を引くため度々この水留の草を外すので、界隈の百姓たちの嫌われ者だった。

ある日、この留め草外しの現場を見咎められた婆さんは百姓たちに嬲り殺しにされ、その屍は「千本ちぐし」に磔されて留め草替わりにされたと伝えられている・・。』

 

平成四年に刊行され秋田県立図書館所蔵の「仙南村郷土史」に、この様な記述があります・・(^_^;)

まさに「我田引水」の故事そのまんまな伝説ですが、この田んぼの水引きトラブルは現代においても起きているそうで、それを仲裁する農協の組合みたいなものもあるんだそうです・・。

さすがに今は喧嘩しても堰に沈められることはなくなったんでしょうが・・妙にリアルな話だなと思いました・・。

近くに行ったらまだその杭があるのか見て来たいと思います・・。

 

 

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