①秋田県大仙市協和土川に慈眼山宝泉寺(じがんざんほうせんじ)という寺がある。
この寺は元々大野村の西北にあたる林の沢の上野平の地にあり、太同2年(807)に蝦夷討伐で遠征してきた坂上田村麻呂将軍に寄って建立されたという。
当時寺には「鏡の井」という井戸があり、村人達が容姿を写して影の露わに写らない人は早死にすると噂された。
享保17年に本堂を土川に移すも、元寺跡では不可解な事象が相次ぎ起こった。
昼夜問わず乳児や女のすすり泣く声が聞こえる事から哭(なき)沢と呼ばれ、その声を聞いて狂死するものが出てから、誰も近寄らなくなったという。
その後何があったのか、この地は地獄沢、そこから流れ落ちる川は鬼沢と呼ばれるようになり、いまも地名に遺されている・・。
②大仙市協和土川の大野村に「泣き沢の沼」と呼ばれている場所がある。
昔ここに栄えた大尽の家に一人のうら若き召使いがいた。
この娘に大尽の一人息子が言い寄ったが娘には同じ年で下男奉公の許嫁がいた。
ある日の夕方二人が手を取り合っているところをみつけた息子が、簣(もっこ)でぐるぐる巻きにし、泣き叫ぶ両人を一緒に重り石を縛りつけ沼に沈めた。
やがて泡が静まり、その夜中から毎夜のように男女の泣き声が聞こえた。
幾百年過ぎたが、今でもお盆の頃は二人の泣き声が聞こえるとて、村人たちは今でも沼の水を飲まない。
今その場を訪ねると沼には水草が繁り、この水を引いた数枚の沢田が近くにあった。
近寄ると「めだか」がいて、足音でスイスイ逃げるが、みんな寄り添って泳いで行くのが目についてならない。
秋田県大仙市協和土川にこのような言い伝えがあります・・。
地獄沢、泣き沢、鬼沢、・・。
この地がいったい何処に在り、そこに何があるのか、調べてみたいと思います・・。
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