オボコ沢の伝説を調べていくと、必ず一緒に語られているのがこの「アダコ」の逸話です・・。
秋田魁新報が刊行している「秋田民話集」によると、
『江戸時代、藩の道場指南役長山家に娘が生まれたが、生後一年以上になるのに一言も声を上げなかった。近くから頼んだ十歳になる子守りの少女「アダコ」が、井戸の水鏡に自分と赤ん坊を映した時、赤ん坊が初めて声を上げた。 聞き間違いじゃないかと思って もう一度水鏡に映そうとして井戸に身を乗り出すと、背中から赤ん坊が井戸に落ち死んでしまった。理性を失った長山は、アダコを井戸に叩き落とし大石を投げ込んだ。それからアダコの亡霊が現れ、弔うことをしなかった長山の家は火の玉と共に消えてしまった。 大館公共職業安定所(現ハローワーク)裏の墓地の片すみに、名もない小さな地蔵さまがある。その 地蔵さまのそばにある大きな石はアダコが井戸に投げ込まれた時のものだといわれる 。 』
また「大館史」の中に、
『 長倉町から馬喰町に抜ける小路をサンペノヒャッコと呼んでいる。昔そこに井戸があって、ある時アダコ(子守娘)が子供をおぶって水を汲もうとしゃがんだひょうしに子供が帯から抜けて井戸に落ちてしまった。主人はアダコを憎んで井戸につき落として殺してしまった。その後毎晩のようにアダコの亡霊が現れたので、主人は「逆さ仏」を作ってねんごろに供養した。 オボコ沢の伝説はケカジ(飢饉)のために間引きした子供を捨てたのが始まりとも、不運で生まれて子供を捨てたとも、おぶった子供を井戸に落としてしまったアダコの幽霊が出るようになって子捨て場になったのだとも伝えられている 』
ともあります。
どのみち大館青少年ホームの近くかハローワークの近くに何かヒントがあるんでしょうね・・。
続く・・。
オボコ沢・・弐
オボコ沢・・壱
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