僕が若い頃から通っている呑み屋「スナック琴子」・・。
残念ながら明日11月3日で、その長い歴史にピリオドを打つそうです・・。
このお店は僕のテリトリーから少し離れた港町のハズレにあるので、ナカナカ機会が見出せずに参拝が滞ってしまい、その度に「フロ(ひろ)、オメなして来ねあんだ?オメ来ねばコッチから押し掛けで行ぐど!いーあんだが!!」と、貧乏神の脅しの口上みたいな電話を掛けて来るのが常でした・・。
今回も「フロ、まだ騙されだな、辞めるわげねーべ、このサルカヤギ(地元の方言で馬鹿者)がぁ!!」と言ってくれると思ってたのに・・。
加齢、コロナ禍、店を閉める要因は一つではないようですが・・僕からしてみたら人に言えない悩み事を聞いてもらう心の拠り所みたいな場所だったので・・ちょっとショックです・・。
でも、それでも、15年間の思い出と決別するために、彼女と僕の歴史を振り返りながらフィナーレとすることにしましょう・・。
ママはこー見えて小動物のように動きが俊敏なので、通常のスマホカメラではその姿を捉えることは難しいのです・・。
ついつい油断するとブレてしまい「銀河鉄道999」の車掌みたいに目の窪みしか写りません・・。
お店の前にちょうどお墓があるので、深夜になると、そこはかとない緊張感が漂います・・。
界隈は以前「赤線」と言われる遊郭が多数あった場所で・・此方の暗い謎部屋もその名残だと聞いています・・。
いろんなエピソードがあるのですが、詳細についてはココでは触れません・・。
琴ちゃんは、若い頃から右半分化粧してから左半分の化粧をする習慣があるんだそうです・・。
以前ドアを開けた時、まだ化粧の途中だったようでマジンガーZの悪者みたいな顔で出てきたことがありました・・。
アイシャドーも何故か目よりも短めに切り、厚みを重視しているらしく、カウンターに立っているのに起きてるのか寝てるのか判らないときがありました・・。
ママに「もしかしてレディガガを意識してるんですか?」と尋ねたら「はぁ?そんたヤヅすらね」とあっさり否定されました・・。
最近は疫病を防ぐ為に海からやってきたというアマビエ様に似てきた気がするんですよね・・。
この状況を敏感に感じ取っているのでしょうか・・。
なんといってもママの特徴はその笑声でした・・。
九州地区に生息するクマゼミみたいな、地獄に棲んでる怪鳥みたいな、窓ガラスを震わす超音波みたいな声がこの口から出てきます・・。
店に二時間くらい滞在すると夜眠られなくなるときがありました・・。
酔っ払ってるなぁ・・。
たまに入れ歯が取れますが、僕に気付かれないように飲んでる水割りのコップで消毒し、再装着します・・。
琴子ママは僕が辺境スナックにハマるきっかけになった方でした・・。
もう彼女のような方には巡り合うことはないでしょう・・。
何か人生の楽しみが一つ消えてしまったようで・・寂しくなるなあ・・。
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