ガニ寺の伝説・・①

秋田県大仙市協和に在る「太寧寺」に伝わる伝説があります・・。

 

その昔、太寧寺の在った協和町中淀川は荒田村と呼ばれていた。

当時の荒田村は毎夜怪物が出現し、幾多の住人を襲い食い殺した為、界隈に人は途絶え、太寧寺にも僧は寄り付かなくなった。

戦国の世のころ、山形から禅道布教の為に当地を訪れていた「一山宗法和尚」がその噂を聞きつけ、淀川添いの宿で怪物が出るのを待った。

夜半過ぎ、生暖かい風と共に人外の者と思わしき大入道が現れて、和尚と禅問答を始めた。

大入道は「大脚二足、小脚八脚、日月一天を睨み、横行自在也、是何者也か?」と問うた。

和尚は大笑いして「大足二足はハサミなり、小脚八脚は両足なり、天をにらむ日月は両眼、横行自在は蟹だろう。」と喝破しつつ、愛用の梅の木の杖を打ち下ろすと大入道は霧散した。

翌日明るくなってから、淀川の淵を歩いていた小僧が甲羅を割られた巨大な蟹を見つけた。

一山宗法和尚はその遺骸を淵から引き上げ、塚を作って埋めた。

その後住民が喰われるようなことは無くなり、カニを引き上げた淵はカニ淵と呼ばれ、和尚によって再興された太寧寺はガニ寺と呼ばれるようになった。

一山宗法和尚がカニ退治に使った梅の木の杖は、今でも寺の宝として保存されているという。

 

一昨日、行きつけのスナックで偶然この太寧寺の現住職(41代目)と飲む機会があり、懇願したら特別に「梅の木の杖」を現地で触らせて貰える事になりました・・

後程経過をお知らせします・・。

 

3 件のコメント

  • こんにちは。

    梅の木の杖、面白い伝承ですね。

    拝見しましたら是非、外伝で配信されて下さい。楽しみにしてます。

    私の先祖は本荘街道で藩の脇本陣を幕末まで承ってましたが、資料等々、手元にありますがそのうち見て下さい。

  • 凄くないですが、子供の頃から煩く言われたので•••

    由利から峠越え平鹿に入り関所を過ぎた宿場町の大沢です。

    建物は庄内兵に占拠され撤収時に焼かれて維新後は旅籠で戦前まで営業してましたね。

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