天ぷらのこと・・②

先週今週と、二週連続で秋田市大町にある天婦羅屋「秋田 てんぷら みかわ」に行ってきたので写真を抜粋して載せてみます・・。

エビはまず最初に頭が出てきて、次に生っぽく表面だけ揚げた身と、バリっと強めに揚げた身が二本出てきます・・。

こちらは中まで火を通した後者のほう・・。

食感も甘みも、まるで違う食べ物かのように変わってきますが、僕はバリっとしたク口当たりの此方が好み・・。

これは海苔の天婦羅にウニを乗せたもの・・。

東京にある本家みかわ(バリバリの本流)ではまず出てこない創作天婦羅ですが・・北嶋親方は現代のトレンドに柔軟に対応してるようです・・。

サクっとした海苔と冷たくねっとりしたウニの相反する食感を楽しめます・・。

秋田前のキス・・。

天ぷら屋とか蕎麦屋にいくと、たまーにカルキ臭いというか漂白剤っぽい味がするキス天が出てきたことはありませんか・・?

他の食材がどんなに美味くても、コースの中でアレ(通称カルキスというらしい)が一つ出て来るだけで、一気に興醒めすることが何度もあったんですが・・アレって別に職人が魚を漂白したり洗い忘れたりしてるわけじゃなく、キスの棲んでる海域(餌)によって自然とそーいう味になるのが居るらしいんですよね・・。

そーいうのを事前に排除したり、より状態の良い魚を確保するために、北嶋親方は最近市場ではなく信頼に足る漁師を独自に見つけ、そこから直接魚を買い受けるようにしているそうです・・。

秋田前のアオリイカ・・。

秋田前の高級魚ノドグロ・・。

半生で揚がってきてました・・。

最近食べたどの料理よりも完成度が高く、今回一番印象的でした・・。

秋田県大潟村のアスパラ・・。

上部と下部で水分や甘みも違うので揚げ方も変わってくるそうです・・。

ヤングコーン・・。

秋田前めごち・・。

めごちは天婦羅にしか成り得ない(使えない)魚なので、いままで天婦羅を食べるという文化が無かった秋田では網に掛かっても捨てられたりしてたらしいのですが、実は非常に良いものが秋田沖で獲れるんだそうです・・。

江戸前に引けを取らない抜群の弾力・・。

アマダイ松毬揚げ・・。

鱗を逆立ててバリバリ強めに揚げます・・。

10年ぐらい前までは天婦羅業界ではアマダイという食材も、こーいう揚げ方も無かった気がしますが、フレンチとか他ジャンルの料理を取り入れたんだと思います・・。

で、〆の天丼・・。

天茶(漬け)、天バラ(ちらし)、天丼の三種類から選べますが、僕はいつも天丼かな・・。

だって、これ以上ご飯に合う食べ方ってないと思うんで・・。

総評・・。

僕は食べ物の中で天婦羅が一番好きなので、20年以上前から日本全国津々浦々天婦羅行脚の旅に出ていました・・。

ですので何処の流派がどうとか、甲乙比較出来てると思ってるんですが・・最近江戸前天婦羅の本場東京の有名店よりも秋田の天婦羅屋の方が美味いんじゃないかと感じます・・。

たぶんそれは気のせいではありません・・。

昨今の東京の天婦羅屋は「通」が来てるというよりも、右も左も判らないインバウンドの外国人や、写真を撮る事だけが目的のインスタグラマーばっかで黙っていても満席になるので、職人もまったく気合が入ってないというか、ベルトコンベアーみたいに注意力散漫で揚げてる人たちが多い気がするんですよね・・。

やっぱ、天婦羅って、職人と客との真剣勝負っていうか、お互いの気合と感覚と集中力が噛み合ってこそ昇華する微妙な料理だと思うんですよ・・。

そーいう意味でも、こちら「秋田 てんぷら みかわ」や、兄弟で兄が営んでる「天ぷら醍醐」なんかは、大都市よりも職人や客がより良い環境で共存している稀有な地域なんじゃないかなと、思うわけです・・。

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